指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)
歯科矯正・顎口腔機能診断施設基準適合医院

矯正歯科専用3DCTについて

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矯正歯科専用3DCTについて

2018年3月に最新の矯正歯科専用3DCT KAVO 3Dexam+を導入して2年9か月がたちました。それまではCT撮影を外部に依頼していた関係で、撮影は患者さんを限定していました。この導入により治療を始める患者さん全てに撮影が可能になり、術前の3次元診断を行うことができるようになりました。

また治療途中に予測に反した歯の移動などあった場合、その場で撮影し、詳細を知り、治療に反映るすることができるようになりました。


最新鋭の矯正歯科専用3DCT撮影機・KAVO 3D exam +を手に入れ、
ニンマリする院長

これまでの矯正治療の画像診断は頭部X線規格写真、パノラマX線写真、デンタルX線写真といった2次元の世界で成り立っていました。しかしながら、歯や歯が動いていく上顎・下顎のそれぞれの骨そのものは立体であるので、歯の正確な動きは曖昧でした。とくに前歯歯根の唇舌的(前歯の前後的)な動き、また臼歯部の頬舌的(奥歯の内外的)な動きについては、はっきりしないまま治療していたのが現実です。今回のCT導入により骨内における歯根の3次元的な位置を正確に知ることが可能になり、かつ歯を動かして行く際、どれだけ骨の幅に余裕があるかなどを知ることができ、適切に歯を移動予測することができるようになりました(図1)。またこれまで同様、埋伏歯などはその歯冠の位置、隣在歯との位置関係をより簡単にかつ正確に3次元的に把握することができます(今回の導入したCTで、立体画像がより洗練されました)(図2)

図1

上顎の中切歯(真ん中の前歯)を矢状断
(頭を真ん中で縦に左右対称に割った面と平行な面)で見た画像

(a)適切に位置づけられた下顎中切歯に対して、上顎中切歯を
骨を超えて動かした不適切な予測例
(b)歯根を骨内に残しながら適切に移動予測した場合。
明らかに(b)が生理的に優れていることがお分かりいただけるかと思う

このように移動量、移動様式を予測することが可能になりました

図2

上アゴの左右犬歯(糸切歯)が骨の中にもぐって いる患者様のパノラマX線写真(2D)(図2a)と、
3DCTによる3次元立体画像(図2b3枚)

 

3DCT画像の方がより分かりやすいことが理解していただけるかと思います。これに色々なCT段面画像からの情報を加えると、より正確な位置を把握することができます

 

さらに3DCTでは、ヴァーチャル・リアリティ-で、コンピューター上で治療の予測が可能になりました。外科矯正のシュミレーションでは、術後の予測をすることが容易になりました(図3)。そして日本ではKAVO 3D exam +のみ使用可能なソフトを使用することにより、これまで模型を作製し歯を一つ一つ切って作製していた予測模型がコンピューター上で可能になりました(図4)。これらの進化はこれからさらに進むことが予測されます。

図3
下顎が出ていて、かつ左側に曲がっている患者さんの手術前 手術による予測変化


 なおCTの被爆量ですが、KAVO 3D exam +は非連続なパルス照射をすることで撮影時の被爆量を最小限に抑えることができます。歯科用CTでは唯一ですので、皆さん安心して撮影に臨んで下さい。北陸3県でこのCTを導入している矯正歯科医院は当院のみです。
これまで2次元の世界ではみることが出来なかったことが3DCTで沢山みることができるようになり矯正治療のゴール設定や評価の仕方も今後変わっていくことが予測され、矯正治療の概念が変わる可能性があります。またこれに加え、ヴァーチャル・リアリティ-の進化とともに矯正治療もさらに進化することが予測され、大変ワクワクしています。

 

図4

ヴァーチャル・リアリティーの予測模型(図4)